みんな自分が正しいと思っているからです。
もしその100人の中の1人が自分の「正しい！」を何処までも妥協なく押し通そうとすれば最終的に何らかのチカラを行使して相手を捩じ伏せるしかなくなります。
万人が心から納得する「正しい！」なんて何処にもないからです。
知力・暴力・権力…如何なるチカラであれ、それを行使し続けるなら波動的に荒々しく尖っていきます。
つまり、『正しいの比べっこ』というものをやればやるほど必然として荒々しい波動に染まっていくということです。
自分の「正しい！」を他者に押し付ければ心の許容量は必然的に減少します。
単純に考えてみてください。
「自分が正しい！ 自分が正しい！」と何時も考え続けているような人間が他人に対して寛容でいられるかどうかを。
今のご時世、ニュース等をほんの少し見るだけで、この『正しいの比べっこ』が激烈に世界中で巻き起こっていることが分かると思います。
個人の範疇なんて遥かに超えてね…
『正しいの比べっこ』が先鋭化してぶつかり合ったその果てには、所謂一つの『魔女狩り』の時代がやって来ます。
それは、『正しいの比べっこ』の勝者が絶対正義(仮)を手に入れ、「自分たち以外の『正しくない者』(悪)を無条件に裁く権利を与えられている！」と本気で信じている世界のことです。
信じるだけではなく、実行するのです。
正義の裁きを実行することこそが、「正しい！(仮)の証しである」と信じているからです。
正しくない者(悪)を処断しないのは、それ自体が悪なのです。
そして、その悪に加担する者はもちろん、悪に対して見て見ぬフリをする者もまた悪なのです。(その人たちの中ではね)
つまり、『正しいの比べっこ』が煮詰まった先の先には、偶然ではなく必然として『魔女狩り』の思想が現れるってことです。
ここでいう『魔女狩り』とは、「自分たちが間違っていると思うモノすべてを力づくで滅ぼそう」とする行為のことです。
普通に考えれば正しいか正しくないかは常に流動的であり相対的なモノにすぎません。
当然ながら、善も悪も絶対ではないからです。
しかし、『魔女狩り』を是とする人にとっては、「善も悪も絶対的な基準であり、自分はいつも絶対善の側にいる」というのが前提となります。
そうじゃなければ「相手の思考や行動形態を根こそぎ滅ぼしてしまおう」などと考えないでしょうからねぇ…
コロナ禍以来時代は新しい局面を迎え、殺伐さが際立つ世の中になってきています。
なので、心が振り切れて、絶対善なんてモノを取り憑かれる人間が増えるのかも知れません。
魔女狩りが行き着く果ては、自他ともに『滅び』だけだろうと思うんですけどね…
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