「何かを知る」ということはその分『己れの無知』を知ることでもあります。
一筋の光に気付けば、その周りにある闇の深さも否応なく思い知らされるのです。
なので、得てして知るということには、「ある一定の苦しさ」が伴います。
なので、得てして知るということには、「ある一定の苦しさ」が伴います。
その苦しさがイヤで知ることから逃げ出してしまう人も少なくありません。
そして、「闇なんて見たくない！ 光だけの世界で生きていたい！」と望みます。
心の眼と耳をふさいで、独りよがりのファンタジー世界に逃げ込むのです。
世の中には「人間同士話せば分かる！」というファンタジーを何とな〜く信じている方が結構いらっしゃらようにお見受けします。
「互いを正しく知れば必ず分かり合える」なんておっしゃるのは物事を知りたくない人の『心の闇』を理解してない方の言い分です。
人間は何処まで行っても分かり合えないかも知れないけど、それでも分かり合おうとするしか術がない生き物です。
互いのモヤモヤとするアレヤコレヤを呑み込んで、前に進もうとするしか道はありません。
だから、同じ種族としての共感性や同質性に過度な期待をしない方がいいのです。
ヘタな希望は簡単に絶望に置き換わります。
絶望を友にして希望に向かって進むくらいで丁度良いのではないでしょうか…
心の眼を閉じ耳をふさいで出来あがるファンタジーは人の心を毒します。
闇を見ることを拒み続ければ、結局光を見ることも出来なくなるからです。
光を見ることが出来なくなれば、マヤカシに溺れるしかなくなります。
マヤカシの中に希望を見出すしか生きる道がなくなるのです。
それは麻薬やアルコールに依存する人の心に似ています。
だからこそ「同じ人間だもの。話せば分かる！」ではなく、「話したって何ひとつ伝わらないかも知れないけど、話さなくちゃならないことなら挫けずに話そう！」って思うのです。
何度でも繰り返しコツコツとね！
で、そういう『時話せば分かる派』の人ほど、いくら話しても分かりあえない煮詰まった状況に遭遇すると、最後には自分の正しいを無理やり相手に押し付けようとする傾向が強い気がします。
「人間同士話しても分からないことだってある」と最初から素直に認識している人よりずっとね…
つまり、話したって分かり合えないこともあるって事実を認めず、偽りの『話せば分かるワールド』を堅持しようとするのです。
本当は「どこまで行っても分かり合えない生き物かも知れないけど、少しでも分かり合うために歩み寄ろうと試みる」ってのが人と人なんじゃないでしょうかねぇ…
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