以前に閻魔大王実在説を唱える方がいらっしゃいました。
閻魔大王がいるっていうことは即ち地獄が存在して、地獄で裁判官してる閻魔大王がいるっていうことになります。
もう一つ言えば「極楽もあるでよ〜」ってとこまでが一セットです。
そこまでが切り離せない『一続きの物語』なのです。
バラバラに切り離したら途端に整合性がなくなりますからね。
つまり、閻魔大王が存在するって話は、良くも悪くも『ある一つの世界観』に繋がっているということです。
逆にいえば、「あの世、この世ひっくるめて世界ってのはこんな風に出来上がってますよ」って世界観から導き出された存在が閻魔大王ってことです。
そして、それが『一続きの物語』って言葉の意味です。
で、閻魔大王が実在するかどうかは置いとくとして、最近またこんなお話を拝見したのです↓
霊界裁判は通常、加害者の死後に行われます(ただし例外もあります)。そこでは魂の記録がドライブレコーダーのように厳密に調査されます。最高の刑は魂の粉砕です。
仮に霊界裁判ってのが行われるのが事実とすれば、裁くモノが存在するってことになります。
当然裁くモノは人間を遥かに超越した絶対神的な存在ってことになるでしょう。
少なくとも霊界裁判が実在するとされる世界はそういう世界観の中に存在しているはずです。
そこまでが切り離すことのできない『一続きの物語』だからです。
裁判というからには一人の人間の生きてきた過程を何らかの理非善悪という基準で裁くということでしょう。
ただ、善悪という基準は人間の人間による人間のためのモノサシです。
善だの悪だのといったところで、普遍不動のモノとしてどこか人間とは関係ないところに独立して存在しているわけではありません。
善悪は絶対的な真理などではないってことです。
その証拠に善悪は時代や地域の違いによってコロコロと変わってきました。
霊界裁判とやらがもし本当に有るとしても、一体誰がどういう基準で裁きを下すのでしょう？
それって「何でもお見通しだよという絶対神が理屈抜きの問答無用で裁く」って設定がなければ、成立しない気がするのですが…
ていうか「人間を対象にした霊界裁判がいつも開催中！」って世界観ってすごい選民思想ですよね。
それって「この世界で人間だけが特別に生涯を査定される権利がある」って価値観が根底にあるわけですから。
「人間だけはいつも特別扱い！ 特別扱いされて当然！」ってことなので…
それとも蟻やミジンコも霊界裁判って受けられるって設定になってるんでしょうか？
それなら、ちょっとはマシな世界観かも知れませんけどね…
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