人は自分の欲望を満たしたり、自分の恨みつらみを晴らしたりするためにハカリゴトを企てるものです。
その手のハカリゴト全般をここでは陰謀と言うことにします。
陰謀には大から小まで色んなモノがあります。
大は国家的な謀略から小は小さな会社の出世争いのためのハカリゴトのようなモノまでね。
もちろん成功するモノもあれば失敗するモノもあります。
すべてが計算通りに運ぶ陰謀など無い、あるいは無かったと言えるでしょう。
そうです、陰謀とは成功したら失敗したりするモノなのです。
しかも、完璧に成功することはかなり少ないと思われます。
なぜなら、それぞれがそれぞれの欲望や思惑でタクラミを為すのが陰謀だからです。
欲望とは詰まるところ自分へのコダワリです。
互いが自分へのコダワリを主張すればするほどぶつかり合いが起こり、ロクでもないモメごとが起こるのは必定なのです。
陰謀とは元々足の引っ張り合いが起こりやすい性質のモノであるということです。
さて、陰謀論的なモノの見方の弊害について、このブログでは何度も書いてきました。
ここでいう陰謀論的なモノの見方とは「人類の歴史の全てはごく少数だが超強力な闇の勢力みたいな者たちによって連綿と精密に作り上げられてきたのだ！」というような考え方のことです。
つまり、陰謀論的なモノの見方というのは陰謀が常に完璧に成立してきたという前提に立つ考え方なのです。
陰謀論的なモノの見方が成立しない理由がそこにあります。
だから、「陰謀論的なモノの見方をすること」
と「陰謀の有無を観察すること」は似て非なるモノなのです。
むしろ逆方向とも言えます。
陰謀論的なモノの見方とは物事をひたすら単純化しようとする作業に見えます。
「初めに答えありき」で、すべての物事を全部同じロジックの中にハメこもうとしているように見えるのです。
一方陰謀を陰謀として冷静に観察するためには、物事を多角的に俯瞰して捉える眼が必要になるでしょう。
それは「世界ってのはそれほど単純化できないだろうな」という観点に立つってことです。
同じロジックどころか互いがテンデンバラバラです。
まあ、以上を簡単にいうと「陰謀論と陰謀を陰謀として認識することは違う」ってことです。
いまの世の中このふたつがごちゃ混ぜにされてることが多い気がするので改めて説明してみました。
陰謀を自分を有利にするためのハカリゴトと定義するなら、あちらの会社、こちらの家庭、そちらの学校などなど、ほとんどの方がご自身の人生で大なり小なり見聞きされてきたことだろうと思います。
そのハカリゴトには成功したモノも失敗したモノもあったでしょう。
陰謀とは多分そういうモノです。
人間の情念やら欲望やらが強く絡むと事態は思わぬ方に転んで行きやすくなるからです。
事の大小を問わずね！
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