形態はそれぞれ違いますが、生き物というのは絶えず動いています。
逆にいえば生きている限り動き続けるしかないのです。
不変不動っていう選択肢は何処にもありません。
っていうかこの世界ではそれは「死んでる」って意味になります。
そんなこんなで 人間という生き物もあっちへフラフラこっちへフラフラ動きながら生きていくしかないのです。
心や身体を動かし続けなければ生きる推進力を得られませんので。
だから、人間は生きている限り試行錯誤を繰り返し、その度にバランスを取り続けるしか道はありません。
その「バランスを取る」というところから外れると遅かれ早かれ心は迷います。
揺れ動く『現実』から、固定化された『自分』が離れていくからです。
やがては自分だけのファンタジーに生きるしかなくなります。
進歩っていうのはあっちへぶつかりこっちで躓きながらその結果何かを掴むことで初めて成り立つモノです。
たまたまでは無く必然としてね。
「ずっと変わらない」というのは「何ひとつ進歩してない」というのと同じことです。
よって、心の固定化を目指すのは自ら進歩から遠ざかることを意味します。
ここでいう心の固定化とは『ブレない軸』みたいなモノを『自分』の中心に立てて、決して動かないようにセッティングしようとする試みのことです。
固定化を目指す方は「固定化を進めればいつかは普遍不動の『生きる極意』みたいなモノを得られるに違いない！」と信じているのでしょう…
要するに「固定化すればするほど心は安定し、進化する！」という考え方が根底にあるってことです。
心の固定化を目指す方々は「どうやったら『バランス』なんて七面倒くさいモノから永久に解放されるか？ 『バランス』を取らずに生きていけるか？」を日々考えているようです。
また、もしどうしてもバランスを取らなくちゃいけないとしても、心の真ん中に『ブレない軸』みたいなモノがドド〜ンとあって、枝葉の部分だけちょこちょこっと簡単にイジリさえすば、バランスが取れるくらいの状態にしたいのでしょう。
でもね、それって最初からボタンを掛け違えてる気がするんですよねぇ。
想像上の青い鳥を本気で山の彼方まで追いかけに行ってるみたいな…
生きるということは、例えていえば「サーカスの綱渡りを一生やり続けている」みたいなモノです。
古今東西誰一人その例外はありません。
人生というブレッブレの綱の上で『ブレない自分』を求めるのは、海の中で濡れずに泳ごうとしているようなものじゃないでしょうか？
それより、「ブレては修正」を適宜繰り返しながらゆらゆらと生きていく方がずっとナチュラルだと思いますけどねぇ…
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