主によく語られる魔境の意味は『神秘体験などに囚われ、意識の拡張により自分のエゴが肥大し、精神のバランスを崩した状態である』といわれている。簡単に説明すると現実世界では通常体験出来ない現象や思想を感じた時「特別な何かを得た、感じた」と思い、その出来事・物事にとらわれてしまう、のめり込んでしまうといった状態になることではないだろうか。しかも、本人はその事に気付いていないという部分が何より大きいと思われる。
魔境に入った人というのは十中八九浮かれています。
ここでいう「浮かれている」というのは高揚感に支配された状態のことです。
「神秘体験をする→価値観のコペルニクス的転回が起こる→高揚感に支配される」という道筋を辿る人って少なくない気がします。
高揚感に支配されると浮き足立ちます。
浮き足立つと現実的な感覚を失って突拍子も無いことでも簡単に信じるようになるのです。
そういう心の状態を個人的に「振り切れたココロ」と呼んでいます。
例によって例のごとく独断と偏見で申し上げれば、所謂スピリチュアル系が大好きって人の大半がこの魔境ってモノに対して驚くほどガードが低いのです。
むしろ諸手を挙げてウエルカムな感じの人の方が大部分な気がします。
魔境がもたらす高揚感に浸りたいのかも知れません。
ただ、最近の世の中を拝見しておりますと別にスピリチュアルな人でなくても、振り切れたココロの人が増えているように感じます。
魔境に片足を突っ込んだ人が結構多いんじゃないでしょうか？
まあ、片足どころか両足ごとドップリ浸かっている人も大勢いらっしゃるように見えますけどね…
個人的には浮かれて振り切れたココロこそ魔境だと思っています。
だから、古今東西人の心のあるところ魔境はどこにでもあるのです。
なぜ魔境に入る人が増えているのか？
それは不安を抱える人が増えているのと裏表ではないでしょうか…
自分が抱えた不安と恐怖から逃れるために普遍的な万能感と高揚感を求めようとするのです。
万能感と高揚感を言い換えると絶対揺らぐことのない安定と安心です。
そんなモノはどこにもないんですけどね。
見果てぬ夢、イリュージョンです。
その見果てぬ夢がここでいう魔境です。
見果てぬ夢を無理やり見続けようとすれば心はその分歪んでいきます。
強制的に白昼夢を見ているようなモノですからねぇ…
「見たいものを見たいように見ている」とは「その人の見ている所謂『現実』というのが潜在意識やら先入観やらによって半ば無意識に集められた出来事の集積に過ぎない」ということです。
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