人間というのは本質的に無知な生き物です。
人間ごときが何でも分かるわけがないのですから当たり前です。でも、知らない部分は何かで補わなきゃなりません。
その何かとは簡単にいえば想像力です。
ここでいう『想像力』とは知らないなら知らないなりに一生懸命察したり慮ったりしようとする心の働きのことです。
先ず自分の無知を皮膚感覚で知ることが想像力を養う第一歩です。
逆に知ったつもりになればなるほど想像力を失っていきます。
想像力とは自分の無知を知ることから始まるからです。
慮るチカラが弱いというのは心の視野が狭いということです。
心の視野の狭さとは人間に本来備わった平衡感覚によって感じられるはずの喜怒哀楽が十分感じられなくなった状態のことです。
心の視野が狭くなるほど周りのことなんて見えなくなります。
見えてるのは『自分』から見て半径3メートルくらいのマイワールドです。
そして、そのマイワールドこそ『世界』そのものだと勘違いしてたりします。
その状態こそ想像力を持たない者が見ている『世界』です。このブログでは何度も想像力の大切さについて述べてきました。
「想像力こそが人間らしさの根っこである」ということをね。ここでいう『人間らしさ』とは他者に対する想像力を持っているということです。
知らないなら知らないなりに一生懸命察したり慮ったりしようとする心の働きが、他者の痛みや苦しみまた喜びや希望などに対する敏感さを生むのです。
想像力の無い人が悪意に満ちているとは限りません。
むしろ想像力の欠如した人ほど善意に満ちていたりします。
圧倒的に独りよがりで空虚な善意ってヤツにね…
例えばこんな感じで↓
癌で結婚式を諦めざるを得なかったという人に自分の式の画像を送って「本気で」励ましてる人がいてアゴが外れた。
上記は、「想像力の欠如がどんな状態を招くか？」のサンプルとしては非常に分かりやすいでしょう。
それと「想像力こそが人間らしさの根っこである」という言葉の意味も反面教師としてご理解いただけるのではないかと思います。
先ほども申し上げた通り想像力の無い人は大抵善意に溢れています。
なぜなら、意図的に強い悪意を醸成できるほどの心の敏感さを持ち合わせていないからです。
脊椎反射的な単純な悪感情は持てたとしてもね…
引用文の例もそうですが、恐るべき獰猛さで人の心を食いちぎろうとする想像力の無さ(鈍感)というモノがこの世には存在しています。
出来るだけそういったモノには近付かないのが吉というものです。
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