陰謀論的なモノの見方の弊害について、このブログでは何度も書いてきました。
ここでいう陰謀論的なモノの見方とは「人類の歴史の全てはごく少数だが超強力な闇の勢力みたいな者たちによって連綿と精密に作り上げられてきたのだ!」というような考え方のことです。
陰謀論的なモノの見方の弊害とは何かを一言でいえば心が現実離れしてしまうことです。
現実離れするとは自分にとって都合の悪いことから無意識に目を背けるようになるってことです。
逆にいえば自分にとって『都合のいい事実』にばかり目が向くようになることです。
ここでいう『都合の良い事実』とは自分の考えた陰謀論にとって不都合な部分を取り除いた『本当にあった出来事』のことです。
陰謀論の核になる部分には「この世は予定調和の世界だとベーシックに捉えてるところ」があります。
ここでいう『予定調和の世界』というのは「何時でも何処でも誰にでも分かりやすく辻褄ってのは合うものだ」という考え方のことです。
それは物事に完璧な調和と整合性を常に求めようとするってことです。
また求められるものだと信じているのです。
ただ、それが如何に博覧強記の者であれ、この世は1人の人間の理解の範疇にスッポリと収まるほど『個人』に都合よくは出来てはいません。
お釈迦様の手の平の上をどこまでも飛べる孫悟空くらいのチカラがあったとしても、それは難しいことです。
本質的な意味として物事に調和と整合性があったとしても、途轍もなく大きな『この世界』というジグソーパズルの一部のそのまた一部として存在しているのだろうと思います。
だから、一個人から見れば世の中の出来事は不都合で不条理な出来事の連続に過ぎなかったりします。
ハナから一個人の理解の範疇など超えているのです。
逆にいえば「心地よくもなく辻褄も合わない『リアル』から逃れたい!」と多くの人々が願っているってことです。
「この世がとんでもなく理不尽で不条理だ」って『リアル』からね…
この世はどう転んだところで不確実性の世界です。
そんな世界で無理に辻褄を合わせようとすれば、やがて『人としてのバランス』を失うことになります。
理不尽で不条理な世界で、倦まず弛まずバランスを取り続けることが「人が生きる」ってことなんだろうと思います。
ていうか先ず人間の世界が理不尽で不条理なモノであるってことを認識するところから始めた方がいいんじゃないでしょうか。
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