人間というのは本質的に無知な生き物です。
人間ごときが何でも分かるわけがないのですから当たり前です。
でも、知らない部分は何かで補わなきゃなりません。
その何かとは簡単にいえば『想像力』です。
ここでいう『想像力』とは知らないなら知らないなりに一生懸命察したり慮ったりしようとする心の働きのことです。
先ず自分の無知を皮膚感覚で知ることが『想像力』を養う第一歩です。
逆に知ったつもりになればなるほど『想像力』を失っていきます。
『想像力』とは自分の無知を知ることから始まるからです。
「オレは何でも知ってるんだぜ！」みたいな感じの人は幾ら博識であっても『想像力』が乏しいと考えて先ずハズレはありません。
完璧な叡智なんてモノはこの世にはありません。
「思いつく→実験する→多分そうだろうな」って感じで物事を知っていく以外、人間には手はないのだろうと思います。
過去も現在も未来もね！
にも関わらず、スピリチュアルな世界には目の前にない眼に見えないモノを何でも知ってるように振る舞う方が絶え間なくいらっしゃいます。
まぁ、そういうタイプの人がいらっしゃるのは何もスピリチュアルな世界だけではありませんが、霊感みたいなモノだと反証されにくいので思い込みが激しくなる人も多いのかなとは感じます。
なので、「自分は霊界の全てを知っている！」みたいな雰囲気を醸し出しているは大勢いらっしゃいますが、もうその時点で眉に唾つけといた方がいいと思います。
だって、どんなスゴい人であろうと「霊界の全てを知ってる！」なんてことはあり得ませんからねぇ。
それはどんな高名な宇宙物理学者でも宇宙の全てを知らないのと同じです。
知らないのは別に恥でもないし、知らなくて当然ってことです。
自ずから知ることには限界はありますので。
先ほども申し上げたように、人間ごときが分かってることなんてこの世界のほんの少しです。
ましてや個人の知ってることなんてタカが知れてます。
だから、「多分こんな感じかな…」ってくらいの『理解』を持ってる人の方が信用出来る気がするのです。
一昔前の占い師とかではないですが、アクの強い言葉を強い口調で言う人に心惹かれる人間は今でも一定数いらっしゃるでしょう。
テレビなどでも毒舌キャラみたいな人は根強い人気があるようですしね。
人は良くも悪くも言葉に心を引っ張られるところがあります。
断定的な強い言葉を常用していれば、「自分はすごく物事を分かってる人間だ」と思い込んでしまう可能性は次第に高くなります。
そうすると「本当は何も知らないのかもしれないなぁ」という『想像力』が失われていきます。
下手すれば歪んだ万能感に支配されるようになるでしょう。
己れの無知を知るってことは本当〜に大切です。
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